用語解説
期待耐用年数読み:キタイタイヨウネンスウ
日本ペイントでは期待耐用年数を、「塗膜の汚れ・チョーキング(白亜化)・変退色・表層のひび割れが進行し、塗膜寿命(塗膜の磨耗, ひび割れなど)により下地保護機能が期待できなくなると予想される目安時期」としています。
またこの塗膜の劣化過程のうち,塗膜表面に著しいチョーキング(白亜化等級3相当)や変退色により外観に変化が見られ始める時期を「外観変化時期」とし、この「外観変化時期」から「期待耐用年数」までの期間を,塗膜を修繕するのに適した「塗り替え目安」としています。
一般に、塗膜の性能はこのように経時で劣化していきます。
※壁面を触ると手に白い粉がつくいわゆるチョーキング(白亜化)および変退色は、初期の劣化症状として代表的ですが塗膜の躯体保護機能を
著しく損なうものではありません。
※塗膜の劣化は、立地条件や環境、施工条件により、劣化の進行状況が異なるため、期待耐用年数はあくまでも目安になります。
塗膜劣化の初期段階であるチョーキングや変退色は、期待耐用年数以前でも発生する場合があります。
【塗膜が劣化しやすい要因】
・日差しの影響を強く受ける地域や立地、および方向や部位、雨や雪の量が非常に多い地域、凍結融解を繰り返す環境や立地などでは、
塗膜の劣化が早く進行する可能性があります。
・外壁の期待耐用年数は一般都市部の東西面を想定しています。屋根の期待耐用年数は外壁の1/2~2/3程度になります。
【期待耐用年数の考え方まとめ】
番号 | 内容 |
---|---|
1 | 期待耐用年数は、塗膜の汚れ・チョーキング(白亜化)・変退色・表層のひび割れが進行し、塗膜寿命(塗膜の磨耗,ひび割れなど)により下地保護機能が期待できなくなると予想される目安時期を示します。 |
2 | 塗膜劣化の初期段階であるチョーキングや変退色は、期待耐用年数以前でも発生している場合があります。 |
3 | 立地条件や環境、施工条件により劣化の進行状況が異なりますので、期待耐用年数はあくまでも目安です。内容を保証するものではありません。 |
4 | 期待耐用年数は標準的な環境、保管条件、塗装条件、使用量、希釈率、塗り重ね乾燥時間、混合比率、ポットライフ時間を想定したものになります。 |
5 | 以下のような条件では塗膜の劣化が早く進行する可能性があります。
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6 | 下地に付着阻害物があった場合、早期の剥離につながる恐れがあります。 |
7 | 下地が劣化などの影響でぜい弱であった場合、早期の剥離につながる恐れがあります。 |
8 | 目地やシーリング部など構造上の動きの影響を受ける場合、耐用年数に限らず、早期に塗膜の不具合を生じる恐れがあります。 |
9 | カビや藻の発生については、湿度・降雨降雪等の気象条件、立地環境などの影響を大きく受けるため、条件によって早期に発生する事があります。 |
10 | 被塗物の構造、部位、塗装仕上げ形状、環境条件などの影響で、本来の低汚染機能が発現されない場合があります。 |
11 | 強風下での塗装は造膜不良となり塗膜性能が発現されない可能性があるため避けてください。 |
12 | 所定の希釈剤(シンナー)以外を使用した場合、つや・かぶり、および塗膜性能に影響を及ぼす可能性があるため避けてください。 |
13 | 長期間保管された古い塗料は、未開封でも性状が変化している場合があり本来の性能が発揮できない可能性があります。 |
14 | 改修塗装の場合、旧塗膜の種類によっては、塗装した塗料との組合せにより経時での外観変化やふくれなどの異常が発生する可能性があります。 |
15 | 塗料の色相やつやにより耐候性は全く同じではありませんが、顕著な差ではなく、期待耐用年数は変わりません。 |