天王洲アイルに出現した巨大アート
~現代アーティスト山口歴氏の作品に協力しました~

  • HAPPY PAINT PROJECT

2024/04/09

日本ペイント株式会社(本社:東京都品川区、以下、当社) は塗料を通じて社会に幸せをお届けする活動「HAPPY PAINT PROJECT」の一環として、この度、一般社団法人 天王洲・キャナルサイド活性化協会(東京都品川区、代表理事 三宅康之)が開催する「TENNOZ ART FESTIVAL 2024」(天王洲アートフェティバル2024)において、現代アーティスト 山口歴氏が描く壁画アートに協力いたしました。
 

当社の塗料で彩られた天王洲に出現した巨大な壁画は、水面にも映えるダイナミックなアートです。本作品について、山口氏へのインタビューを交え、コンセプトや表現方法をひも解きます。


インタビューに応じる山口歴氏
 

出来上がった壁面は4色で表現されたダイナミックな筆致をイメージさせるアートです。
特に印象的な青色について伺うと、「一番彩度の高い青色が好きなんです。現実の塗料の色に落とすと、もちろん画面上の彩度ほどは再現できませんが、日本ペイントさんにはその青色の限界に一緒に取り組んでいただき有難かった」と話す山口氏から色への思いが見えます。
 

― 今回の壁画は、ご自身のシグネチャーワーク「カット&ペースト」を背景に、青や黒を基調とし、なるべく色数を少なく、そしていつも描いている筆跡を表現できるデザインだそうです。山口氏の「カット&ペースト」は、筆跡を何度も重ねてコラージュし、立体化する技法ですが、今回の壁面ではどのように表現されたのでしょうか。

「カット&ペーストは概念的なところがあります。つまり、筆跡とは人間が何か描くもの。それがビルの壁面にあると巨人が描いた筆跡のようで面白いのではないかと感じたんです。そういう意味では、カット&ペーストの概念的な部分は今回のアートに落とし込まれたと思います。ただ、技法的には手描きで、ペンキをローラーで塗っていくという作業になります」


そもそもビルに筆跡を残す発想は、山口氏の「はみ出す」というテーマから着想を得たそうです。山口氏はもともとキャンバスをなくして、キャンバスからはみ出た筆跡というテーマで作品を制作しています。それが「OUT OF BOUNDS」というシリーズであり、シグネチャーワークとなっています。原点は、岡本太郎にあるという山口氏は、あるアーティストに岡本が「はみ出す」ということをアドバイスしていたことから、「はみ出す」ということが問う表現について考え続け、自身のスタイルを確立させたそうです。

「はみ出るということは境界線を超える、限界を突破すること」だと話す山口氏から生まれた壁面への筆致は、まるで都市に無数にひかれた見えない境界を力強く超えていくように感じられます。今回、巨大壁画に挑んだ山口氏は「ただビルの壁というだけじゃなくて、この周囲のビルの中にあるスポットとして、街としてどう見えるかというところも結構意識しましたね。橋から見るとどう見えるんだろう、地形はどうなんだろう、と周囲との関係性を意識しました」と話します。
最後に、今回使用した当社の塗料について、「伸びが良くて、隠蔽性が高い」と評価いただきました。アーティストにとっての塗料は、発色と使いやすさが鍵のようです。



当社は今後もミューラルアートへの支援を通して、社会に幸せをお届けする「HAPPY PAINT PROJECT」に取り組んでまいります。
 

制作期間:2024年1月10日~2月10日
場所:東京都品川区東品川2-2-43 T33ビル
使用塗料:オーデフレッシュSi100III(製品ページはこちら
 

【山口歴氏プロフィール】
1984 年生まれ。東京都渋谷区出身。2007 年に渡米し、現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動する現代アーティスト。絵画表現における基本的要素「筆跡/ブラシストローク」の持つ可能性を追究した様々な作品群を展開。代表的作品群"OUT OF BOUNDS"では「固定概念・ルール・国境・境界線の越境、絵画の拡張」というコンセプトのもと、筆跡範囲を制限してしまうキャンバスの使用を止め、筆跡の形状自体をそのまま実体化する独自の手法によって、ダイナミックで立体的な作品を制作し続けている。90 年代から2000 年代初頭の東京ストリートカルチャーの変遷を経験して育ち、渡米後は、ALIFE、BILLIONAIRE BOYS CLUB、FTC、NIKE 等アメリカのストリートカルチャーを代表するブランドの他、ISSEI MIYAKE MEN、LEVI’S、OAKLEY、UNIQLO といった企業とのコラボレーションも行なっている。

 

【「TENNOZ ART FESTIVAL」とは】
2019年より一般社団法人 天王洲・キャナルサイド活性化協会が“アートの島=天王洲アイル”を舞台に、運河沿い建築物への大型壁面アート、駅通路での壁面アート、公開空地への立体アートなどの展示を増やす取り組みとして継続して開催。これまで本プロジェクトを通じて設置してきた展示作品は、天王洲アイルエリア内の全18箇所に22作品にのぼります。5回目となる2024年は、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に世界的に活躍する現代アーティスト山口歴を迎え、天王洲運河沿いの寺田倉庫T33ビル壁面に、高さ約40m、横幅約22mの大型壁画の公開制作を実施。

【お問い合わせ先】
日本ペイント株式会社 広報室 柳谷
TEL:03-5479-3616  E-mail: nptumarkpr@nipponpaint.jp