実績インタビュー:仙台大観音 地上100メートル! 日本最大級の観音様の塗り替え × クライミング工法
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2024/03/13
ニッペラボでは、当社の塗料をご使用いただいた実績を紹介しております。(こちらよりご覧ください)
今回は、当社の1液水性ラジカル制御形ハイブリッド高耐候性塗料「パーフェクトトップ」を用いて塗装された日本最大級、地上100メートルの観音様である仙台大観音について、お施主様である新界山大観密寺 院代の鈴木興相様、施工を担当されましたクライミング・ワークス株式会社の代表取締役の水野淳一様にお話しをお伺いしました。
仙台市にそびえる仙台大観音。周囲の建造物と比べるとその大きさがよくわかります。
巨大建築物の救世主“クライミング工法”
院代鈴木様:本観音様は1991年に竣工し、2001年に1度塗装工事を行いましたが、それ以降は大規模な修繕工事はできていませんでした。当時の工事は、専用の巨大クレーンを用いて、多額の費用をかけて行いました。近年も周囲から塗り替えの要望はいただいていましたが、費用の問題から半ば諦めていたところに水野様との出会いがありました。
水野様:我々は足場を掛けず、登山道具を用いて塗装する工法である「クライミング工法」を扱っています。物件により適不適の程度はありますが、足場を掛けない分の費用や工期を短縮できるのがこの工法の強みになります。本観音様以前にも、別の大仏様を塗装させていただいたことがあり、巨大建造物にとって救世主的な見られ方をしているとお聞きしています(笑)
左から院代の鈴木興相様、クライミング・ワークス株式会社の水野淳一様
塗装前は劣化による塗膜の剥がれが目立ちます。 クライミング工法でいざ仙台大観音に挑む!
最難関の塗り替え。クライミング工法と日本ペイント塗料で実現。
水野様:実は今回の施工は、私のキャリアの中でもトップクラスの難易度でした。
理由は、日本最大級と呼ばれるほど巨大であり、かつ形状が複雑であるためです。観音様のお手元など一部の作業は上下逆さまで行う必要がありました。
このような仕事柄、安全面には細心の注意を払っています。メインロープは通常の倍の4本とっていますし、お金に糸目は付けず道具は少しでも違和感があれば取り換えることを社員にも徹底させています。お陰様で事故を起こしたことはこれまで一度もありません。
院代鈴木様:見ていてとても面白い塗装工事でした。
時折ロープからロープへ飛ぶように移動しており、観光客の方からも歓声が上がっていました(笑)水野様のお人柄と仕事への真摯な姿勢はよく知っていましたので、一切不安なく見守っていました。また上塗り一回目の塗色をさくら色に、との提案も水野社長からいただいたんです。
水野様:塗り残しをなくすため、上塗りの一回目と二回目で色を変えることはよくやるのですが、今回は様々な方々からの注目を集めるという意味で大正解でしたね。他にもクライミング工法ならではの工夫として、飛散が少なくまた軽くのびがよいなどの作業性を塗料の選定基準として重視しています。日本ペイントの塗料は、それらの性能が高い塗料が多く、重宝しています。最近はもっぱら「上塗りはパーフェクトトップ一本」です。
ピンク色に塗装される仙台大観音。夕日を背景に壮麗な姿です。
使いやすさがパーフェクト!
今回の塗装を終えて、今後の展望は。
院代鈴木様:今回の工事は、メディアにも多く取り上げられかなりの注目をいただくことが出来ました。周辺住民および観光のお客様からも喜びの声をいただき、水野様には感謝しかありません。一方で修繕はこれきりで終わりではなく、継続的に発生するものと思います。水野社長とはこれからも末永いお付き合いをお願いしたいです。
水野様:是非、よろしくお願いします(笑)
私は、クライミング工法の業界を発展させたく、技術を標準化し普及活動に取り組んでいきたいと考えています。
同工法は、欧州では風力発電用風車や巨大観覧車などの塗装で一般的に用いられている技術で、今後日本でも活きる機会が多いと思います。今回のような難しい現場ではしばしば人手不足にもなりますので、業界内で助け合いながら仕事できればとても有難いです
クライミング・ワークス株式会社の塗装職人と塗装の応援にかけつけたメンバー一同
観光資源再生および周辺住民の喜びにも繋がる社会貢献性も高さが伺えました。
今回の改修工事により、生まれ変わった観音様は、今日も仙台市内を見守ります。