After Stories : HAPPY PAINT PROJECT
~神奈川県 足柄下郡湯河原町立 湯河原小学校~
ペイントアートがもたらした「ほかほかな世界」
- HAPPY PAINT PROJECT
2023/06/16
今回お届けする「After Stories : HAPPY PAINT PROJECT」は、当社のCSR活動「HAPPY PAINT PROJECT」が、みなさんにどのような「HAPPY」をもたらし、どのように人々の心に残るのかを探ります。
2022年12月3日、神奈川県足柄下郡湯河原町立湯河原小学校にて、開校150周年を記念したペイントアートが行われました。当社スペシャルアンバサダーでペンキ画家のSHOGEN氏のサポートのもと、当時の1、2年生は町を走るごみ収集車4台に、3~6年生は校舎の壁面にアートを施しました。同校のスローガンである「生命(いのち)輝く子どもを育てる — 心はほかほか 学びはしっかり 体ははつらつ — 」の一部をテーマとし、「ほかほかな世界」を全学年で表現しました。
イベントから約半年が経った湯河原小学校を訪問し、現在の校長先生やイベント運営に関わられた先生、また、6年生(イベント時:5年生)の児童3人にお話を聞きました。
当時のペイントアートの様子はこちら
新型コロナウイルスの影響で、感染拡大防止の観点から長らく様々な行事が中止、または、縮小しての実施になるなど、児童たちは学校生活をめいっぱい謳歌しているとは言いがたい状況にありました。そんな中、当時の校長であった北村和裕先生を始めとする先生方で、児童たちが笑顔で取り組めることが無いかと考えていた際に、ペイントアートというものを耳にされたそうです。また、ちょうど校舎のピロティの壁面が白く、味気無いイメージを持っていたため、150周年の記念行事としてペイントアートを行うことを決定されました。
北村 前校長先生に、イベントの様子や児童への想いをお話しいただきました。
— イベントを振り返って
最初、児童たちにペイントアートを行うことを伝えると、上手にできるのかという不安があったようです。学校では「こういう風にやろう」と道筋を立てて、それに沿って行うことが多いため、自由に描くということが最初は難しく感じている児童もいました。しかし、イベントが始まると夢中になって一気に描き上げ、児童一人一人の思いや考えが表現されたアートになりました。運動会は種目を絞って半日開催、音楽会も2年間連続で中止になっていたため、全校で何か1つのものを作り上げられたことは良かったと思います。完成したお互いの作品を見合ったり、彩られたごみ収集車が通ればペイントをした1,2年生のみならず全学年が反応を示し運転手に手を振ったりするなど、一体感のようなものが生まれてきたのではないかと感じています。
— 湯河原小学校の児童たちへのメッセージ
児童は一人一人違う存在で自分とは違った様々な考えがあるけれど、それらを尊重しつつ、人を思いやれる人に成長してほしいです。
北村 前校長先生
また、イベント運営に関わられた先生にも、当時のお話を聞かせていただきました。新保美和先生は、当時1年生を担当されていました。ペイントアートを通して、徐々に積極的になっていく児童の様子をお話くださいました。
— ペイントアート前と後で児童の様子に変化は見られましたか
ペイントをする前に、絵具で絵を描く練習はしたのですが、ペンキだからか最初は難しかったようです。しかし、一度筆で車体に色をつけたり、ペンキが手についたりしたら、緊張が解けたのか没頭していたように思います。空いているスペースを探して全力で描いていました。イベントが終わる頃には、ほとんどの児童がもっとやりたい!と言っていました。
この行事は、全校児童で行事が行えなかったことを憂慮されていた北村前校長先生を始めとする先生方の想いが集結し、開催されたイベントでした。SHOGEN氏はイベント中に度々「自分の心の色で、自分のために絵を描こう」と児童に声を掛けました。みんなで行う久しぶりの行事だったということもあり、ワクワク感に包まれた賑やかな会場で児童はキラキラと輝きながら「自分らしさ」を発揮してくれました。
同校の6年生(イベント時:5年生)3名の児童が、壁面にペイントした時のことを思い出しながら、イベントの感想を教えてくれました。学校の壁に絵を描くと聞いたとき、楽しみな気持ちもありつつ、驚きと「上手く描けるか不安」という気持ちがあったそうです。実際にペイントをした時の想いを3人に語ってもらいました。
— 6色の塗料を混ぜて、自分だけの色を作ってみてどうでしたか
ゆずるさん:「海とSDGs」がテーマだったので、青を全般的に使っていたんですけど、海の綺麗な色・似た色になったときうれしかったです。
けんしょうさん:黒と青を混ぜるとき、全部一気に混ぜないで黒と青がそれぞれ残るように工夫しました。
こうたろうさん:絵具で混ぜるときは「こうなるんだろうな」という予想がついたけど、ペンキは青と黄色を混ぜてみたら絵具とは違う色になったので感動しました。
— 壁に一筆目を描いたときはどんな風に感じましたか
ゆずるさん:周りに人がいる中で、自分が最初に壁に絵を描いたんですけど、SHOGENさんみたいに思い切りよく描いて楽しかったです。
けんしょうさん:最初はこまごまとした小さい絵しか描けずにいたけど、だんだん慣れてきてもっと自由に大きく描いていいんだなって信じられて、でっかい絵を描くことができました。
こうたろうさん:いつもは鉛筆などで絵を描いていたから、筆を使うことは想像できなかったけど、最初描いてみて、「おっ!」と思ったので、どんどん描きたくなりました。
— 自分の絵が校舎の壁にあることをどう思いますか
ゆずるさん:壁の絵が10年以上残ると聞いて、学校の歴史に残る、受け継がれていくものを描けたのがうれしかったし、思いっきり描けたので楽しかったです。
けんしょうさん:自分の描いたものが母校に残るから、すごくうれしいです。
こうたろうさん:自分の小学校にもう一回来たときに、楽しい思い出がよみがえってくるのがうれしいです。
3人はイベントのことを思い出しつつ、「上手く描かなきゃと緊張していたけど楽しめたし、下手だけど自分らしく描けました。みんなも楽しく描いていたし、絵がずっと残るからうれしいです」とイベントの感想を締めくくってくれました。
そして、児童たちが仕上げたアートは、多くの人の心に響き、明るい気持ちにさせているようです。今年度から湯河原小学校の校長に着任された加藤佳代先生は、引継ぎで初めて校舎を訪れた時のことをお話してくださいました。
校舎を歩いていたら、子どもたちの思い思いの絵やカラフルな手形が目に飛び込んできて、なんだろう?!と思ったんです。そうしたらそれは、150周年記念行事で行われたアートだと知りました。毎朝通るたびに、子どものパワーが伝わってきて元気になります。パッカー車が通るたびに、うれしい気持ちになりますし町の宝になりますね。
また、小学校にごみ収集車を提供した有限会社 橋本金属の従業員の方からは、「ペイントされたことで、パッカー車が目立つようになって、普段よりも見られている意識があります。子どもたちも手を振ってくれるようになり、日々の業務にやりがいを感じることができています」と喜びのコメントを頂きました。
ペイントアートが児童たちにとって、上手く描けるかという不安を感じつつも、「自分らしさ」を表現する良い機会になったことが分かりました。児童たちのはつらつと一生懸命に取り組む姿が、アートに存分に表れ、先生や地域で働く人の心にも残っています。
当社は今後も、児童たちが自分の心の色で、自分だけにしか描けないアートを表現できる機会を塗料提供を通じてサポートしてまいります。
【ペンキ画家SHOGEN(上田祥玄)氏の活動ご紹介】
1986年京都府生まれ。大学卒業後サラリーマン生活を送るが、アフリカの絵画技法に魅了され、2014年に単身タンザニアに渡航。現地のアーティストに師事しその技法を学ぶ。現在はその技法の要素を取り入れながら独自のセンスで解釈した絵を創作しつつ、“ペンキの伝道師”・ペンキ画家としても活動中。当社「パーフェクトインテリアEMO」イメージビデオにも出演中。
SHOGEN氏SHOGENフェイスブック:https://www.facebook.com/shogen01
SHOGEN氏ホームページ:https://www.nzu-risana.com/
【HAPPY PAINT PROJECTについて】
日本ペイント株式会社が「塗料を通じて社会に幸せをお届けする」というコンセプトで2017年から実施し始めたCSR活動です。この活動の一環として、当社とスポンサー契約を結んでいる日本ペイントスペシャルアンバサダーのSHOGEN氏とともに、全国各地で地域貢献のために、様々なペイントイベントも実施しています。イベントを通じて、地域活性化へのご支援、学校教育へのサポート、子どもたちのいい思い出作り等、ペイントアートによる社会課題の解決、地域貢献とともにペイントの楽しさを世の中に伝え、新たな塗料・塗装文化の創造にも役立っております。
同プロジェクトは、現在(2023年5月末時点)まで全国各地で累計57回のイベントを実施し、累計の参加人数が4,650名に達しています。
2019年より「ペイントでハッピーをお届けしたい」という思いから、「HAPPY PAINT PROJECT」というプロジェクト名を付けております。
【お問い合わせ先】
日本ペイント株式会社 広報室 柳谷・山岡
TEL:03-5479-3616 E-mail: nptumarkpr@nipponpaint.jp