実績インタビュー:IGLナーシングホーム信愛の郷
抗ウイルス塗料による安心とカラーデザインの両立を実現したリゾート型ナーシングホーム
- お知らせ
2023/05/31
ニッペラボでは、当社の塗料をご使用いただいた実績を紹介しております(こちらよりご覧ください)。
今回は、当社の抗ウイルス・抗菌塗料「PROTECTON®インテリアウォールVK500」を使用したIGLグループの特別養護老人ホーム「IGLナーシングホーム 信愛の郷」について、お施主様であるIGLグループ理事長 永見憲吾様、デザインの総合プロデュースをされたインテリアコーディネーターの第一人者である町田ひろ子様にお話をお伺いしました。
福祉リゾートを目指して
永見様:このIGLナーシングホーム信愛の郷は、特別養護老人ホームです。私たちIGLグループは、利用する人、生活する人、働く人が気持ちよく明るい希望を持って過ごせる環境をつくります。
そもそも私の理想としているこの福祉事業の構想は、スイスの国、そしてアルプスの山からの景観そして山並みに溶け込み点々と立つ木造のシャレーです。そこで当初からスイスの国の良さをわかるデザイナーを探してもらい、出会ったのが、町田ひろ子さんです。
お付き合いしてもう28年になりますが、同じ価値観と理想が共有できるので、安心しています。
IGLグループ 理事長 永見憲吾様
町田様:2021年にプロジェクトがスタートし、約2年をかけて「IGLナーシングホーム 信愛の郷」は本年2月25日に無事に落成式を迎えました。本施設は、手前が管理棟、奥が住居棟の2棟の建物が渡り廊下でつながるユニークな設計となっています。
その長い廊下の特徴を活かして、絵画を展示したデジタルアートギャラリーを実現しました。ロビー階から2階までの廊下やホールに計26点の作品が展示されており、入居者だけでなく、子どもたちのアート教育や地域住民の交流の場にもなります。
町田ひろ子アカデミー 代表取締役社長 町田ひろ子様
「インテリアは介護の一環」
永見様:「インテリアは介護の一環」という考えに基づき、新施設にはアートギャラリーを設置しました。認知神経科学の一分野「神経美学」では人が絵画や音楽を「美しい」と感じた時、脳の血流量が増すと言われています。それが、うつ病や認知症の治療に効果があるのではないかと期待しています。アートギャラリーを軸に保養地と呼べるような「福祉リゾート」を目指しています。
町田様:展示しているデジタルアートは、アートの持つ癒し効果、カラーの持つ心理効果を引き出すことを目的に、フランスを代表する西洋絵画の巨匠、クロード・モネの絵を選びました。
また、フロアごとに内装の色を変えることで、高齢者の方が場所を認識しやすいことを考慮し、ロビー階はベージュイエロー、1階はベイビーブルー、2階はサーモンピンクを選択しました。
色彩と安心・安全空間の両立を果たす製品との出会い
町田様:高齢者施設ですので、安心・安全空間であることは大変重要です。空間へ安心をもたらす一つの素材として、日本ペイントさんの塗料が抗ウイルス・抗菌の機能を持っていることを知り、ぜひ内装材として使用してみたいと思いました。
本プロジェクトで最もこだわった点は、印象派の絵から得た色彩計画です。
内装の色は、カラーアナライズという色彩分析の手法によりペイントの中の色を一つずつ抽出し、特徴的なものを拾い出します。期待する色彩を塗料で再現するためこだわり抜きましたので、日本ペイントのご担当者の方には大変お世話になりました。
内装は全てマット仕上げとなっており、私が求めていた癒しのカラーを再現してくれました。絵画から抽出した色を限りなく近い色に調色することは、塗料でしかできませんね。
完成を迎えて
永見様:想像もしていなかったこの塗料をご提示された時には、驚きましたし、半信半疑でしたが、町田さんからとても積極的に勧めてもらい、実現させてもらいとても喜んでいます。仕上がりも塗装とは思えない、優しい艶のない上品な仕上がりに、職員達も気に入ってくれています。コロナ禍がまだ完全になくならない今日なので、安心感があり、塗装してもらって良かったと満足しています。
町田様:完成に至るまでは、理想と現実の折り合いが合わず変更を余儀なくされることも多くありましたが、私も理想を実現するために、特に今回のプロジェクトの肝となる内装の絵画と壁の色については妥協しませんでした。実際に完成した内装の完成度の高さが予想以上であったことに、大変満足しています。
これからの高齢化社会の中では高齢者の意識が高まり、過ごす場所や環境に対しこれまでより、さらに良いものを求めてくる時代だと思います。今後はこの福祉リゾートをモデルに、日本全国に癒しの空間を展開していけたらと考えています。