実績インタビュー:学校法人 和洋学園 「古き良き」を残しながらも新しいデザインの講堂へリニューアル
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2022/10/21
ニッペラボでは、当社の塗料をご使用いただいた実績を紹介しております(https://www.nipponpaint.co.jp/case/)。
今回は、当社色彩チームとともに塗装に携わったお客様のインタビューを特別にお届けします。塗装で建築物が生まれ変わる過程をぜひご覧ください。
日本ペイント株式会社の中にはカラーデザインを専門に提案している「色彩チーム」があります。今回はその色彩チームが手掛けた学校法人 和洋学園の講堂の事例を紹介します。学園側でこのプロジェクトを推進した株式会社和洋サービス一級建築士事務所の岩﨑友勇さんと日本ペイント色彩グループの奥香織さんに話を伺いました。
学校法人 和洋学園の敷地にある築45年の講堂
施工前の講堂の外観と室内
岩﨑さん: 和洋学園キャンパス内にある講堂は、1977年10月、創立80周年記念事業として建設され、築45年の古い建築のため建て替える事も検討しました。しかし、2,000人が入れる施設は珍しく、また昔ながらの講堂を残したいという学園側の強い要望もあり、今回は建て替えを見送り修繕をすることにしました。
学園構内の他の建物は暖かみのあるタイルで統一感があり、講堂だけが外装デザイン面で浮いてしまっていました。講堂は、外装のタイル部分などの剥離も進んでいましたが、古くても良い部分を残しつつ周りの建物と調和のとれたデザインにしたいと考え日本ペイントの色彩チームに依頼しました。
最初の提案から決定に至るまで
奥さん: まずは、市川市の景観条例の「だれもがわがまちの姿として誇りに思い、共感できる景観まちづくり」、そして講堂に隣接する中学高等学校の教育方針「凛として生きる女性の育成」をコンセプトに設計していくことを決めました。外装部分は、美しい意匠を長く持続させる特徴を持つ水性ペリアートUVという多彩模様塗料を使用したカラーデザイン案を3つほど提案しました。グレイッシュな色合いを優しいコントラストでデザインすることで講堂の古き良きものを残しつつ、周りの建物とも調和がとれると思いました。
そして、講堂裏側は、人通りの少ない細い道に面しています。当初、広い面積にアクセントをつけたカラーリングでしたが、圧迫感などの配慮からデザイン変更に至りました。建物単体のデザインはもとより、私たちが常に心がけているのは周りとの関係性についてです。
提案時のCG
岩﨑さん: 校舎、隣接建物と調和がとれるデザインと、意匠性を高めるだけでなく、太陽光や風雨などから外壁を守り、建物の寿命を延ばすことができる提案をお願いしました。
今回、提案していただいた3つのデザイン案が想像以上に良いものだったので驚きました。塗装は、なんといっても建物の印象を大きく変えられるのが面白い部分です。
やはり第3者の視点で提案いただくことは重要だなと改めて思いました。
塗装を完了した新しい講堂を見て
岩﨑さん:職員や生徒たちからは学園内の建物に一体感が生まれてきれいになったと言われました。逆に、全体がきれいになったので、古い部分が目立ってしまい、既存隣接建物の増築用梁なども改修したいという要望が出てきたくらいです。よい機会なので、生徒たちが行き来しやすいようにスロープを作ったり、ウッドデッキを設置したり、他の改修も進めるきっかけになりました。
私たちの役割は、プロデューサーとなり、構内の他の建物や近隣の建物との一体感を図っていくことです。講堂は、古い建造物でありながらも、どのように一体感を出していくか、客観的に色々な人の意見を聞いてみたかったので、色彩チームに入ってもらいました。私たちの視点とは異なる絶妙な提案をいただいて本当によかったと思っています。
構内の他の建物や近隣の建物との一体感のある講堂
奥さん: 美意識を守った和洋学園らしい仕上がりになりました。講堂の柔らかな形状の部分と色がマッチし、高級感を演出することも出来たと思います。凛とした女性像が心地よく投影でき、共感できる景観として、今後も永く愛されることを願います。
チームで創り上げる
多面的な意見を取り入れる。そのことで、思いつかなかったデザインや、さらに良いデザインに進化することがあります。日本ペイントの色彩チームは顧客の要望を受け、その建物に合ったベストなカラーデザインの提案を日々行っています。ただ同じように改修するだけでは取り残されてしまう為、周辺との関係性、景観条例や時代性など、トータルな視野で色彩設計を行う必要があります。また、塗料は「色の選定」で様々なアウトプットができるので、イメージを一新した住環境や空間を生み出す可能性が広がります。 そして何事もチームで創り上げていくことが重要な要素となります。日本ペイント色彩グループは依頼主の皆様と協業して、よいデザインを生み出していくことをこれからも続けていきます。
左から日本ペイント 奥、和洋サービス一級建築士事務所 岩﨑さん、日本ペイント 植本